NPO仕事と子育てカウンセリングセンター
活動レポート活動レポート:シンポジウム
第1回【仕事と子育て】カウンセリングシンポジウム

【仕事と子育て】カウンセリングが社会をどう変えて行くか

大西裕美(P&G健康管理室・ヘルスシステムマネージャー・産業看護師・産業カウンセラー)

【仕事と子育て】カウンセリング事例

まずは、この【仕事と子育て】カウンセリングが社員にどのような効果をもたらしたかをご理解いただくため、4人の社員のカウンセリング前の状況と、カウンセリングを受けた後の声をご紹介してみたいと思います。その後に、私の感想をお話しさせていただきたいと思います。

カウンセリング事例 ≪Aさんの場合≫

まず、社員Aさんの場合です。彼女の状況は、このようなものでした。

予期しない時期に突然の妊娠をしました、そして
初めての妊娠で非常に不安な気持ちでいました。
夫は、家事を一切手伝わないという状況だったそうです。
両立するようになると自分だけが大変になるかもしれないと思っていました。
でも、何から準備をしていけばいいのかさえ分からないといった状況でした。

彼女の気持ち表現すると、高速道路が上下左右に複雑に交差しているような感じで、いろんなものが複雑にからみあって、自分がどっちへ行くのか、行くべきなのかもわからないということでした。

この社員のカウンセリングを受けたあとの気持ちを聞いたところ、このような言葉が返ってきました。

「向こう側に“フッ”と灯りがともった感じ」と彼女は表現しました。
「順を追って頭を整理したことで、大混乱していた頭の中が、すこしスッキリとした気がする」と言っていました。そして
「夫に協力してもらえるように、きちんと話そうという気持ちになれた」
「不安に思ってばかりいたけれど、両立するための選択肢がいくつか見えてきた気がする」と話してくれました。

このカウンセリングを受けた後の気持は、小さいけれども向こう側に明かりが見えてきた、といった感じでしょうか。

カウンセリング事例 ≪Bさんの場合≫


次にBさんのケースをご紹介します。Bさんの、カウンセリング前の状況はこのようなものでした。

「日々の生活に追われ、目の前の事しか考えられない。まるで、いつもいつも緊急の手術をしている感じ」ということでした。
「結婚したばかりですが、年齢のことを考えると子供はすぐにでも産みたい」と思っていました。
夫は、家事を一切手伝わないし、「できない」と言うそうです。
Bさんは「いまの状況で子どもを産むなら、仕事を辞めなくてはならないかもしれない」と思っていました。

カウンセリングの後、Bさんは次のように語りました。

「自分がおかれている状況を俯瞰で見つめられた。一歩ひいて客観的にとらえることができました。」
「仕事が自分にとってどのような意味があるかということをこれまであまり考えたことがなかったけれども、カウンセリングを受けて、今の仕事が、いかに自分にとって重要かということに気づきました。そして自分が仕事を続けたいと思っている気持ちに気がつきました。」
「夫が家事を少し手伝ってくれても、もっと手伝ってほしいと責めてばかりいたけれども、これからは、手伝ってくれたときは感謝の気持ちを伝えようと思います。」と、少し気持ちに余裕ができたようでした。
そして、「これまで具体的に言葉にしたことはなかってけれど、出産後も仕事を続けたいということを、率直に夫に話して具体的なサポート体制をどのようにつくれるか話し合ってみたい」と前に向かって進む気持ちが芽生えたことを語ってくれました。

このカウンセリングを受けた後の気持は、小さいけれども向こう側に明かりが見えてきた、といった感じでしょうか。

カウンセリング事例 ≪CさんとDさんの場合≫


最後にCさんのケースです。Dさんもパートナーと一緒にカウンセリングを受けました。

「夫は、家事を一切しないので、全て私一人でやっている。”全て完璧” にこなすなんて無理だと思う」というのがDさんの気持ちでした。
でも夫は「子供が欲しい」と言います。
「毎日、掃除、洗濯、家事をして疲れきっているのにこの上に育児と仕事なんてできそうにない」という気持ちでDさんは毎日を過ごしていたそうです。

Dさんは、すべて自分だけでしなくてはならないと孤軍奮闘していたようでした。

カウンセリングを受けたあとのDさんの感想は、

「すべて一人で完璧にこなそうとしている自分に気がつきました」というものでした。
「夫や周囲の人に助けを求めることに罪悪感を抱かなくていいんだ、と思うようになりました。“バディー”みたいに助けあえばいい」と思えるようになったのです。
「私が毎日、どれだけの時間と労力を掃除や洗濯に費やしているか、夫が分かっていないと初めて知ってショックでした。」「でも私がひとりでやってしまっているから夫が気づかなかっただけで、これからはもっと協力し合えるように話し合おう、と思えるようになった」そうです。