第1回【仕事と子育て】カウンセリングシンポジウム
企業が【仕事と子育て】カウンセリングを取り入れる意義
渥美由喜 (株式会社富士通総研 経済研究所 主任研究員)
企業にとってのワークライフバランスの意義
今、企業にとってはメンタルヘルスが非常に重要な課題になっています。昨年、過労うつで自殺した人は一昨年に比べて6割増えるなど、非常に深刻な状況です。いわゆる「失われた10年」に各社とも人員を絞り込み層が薄くなっている30代で4割の過労うつが生じています。一方で、働きにくい環境、例えば「偽装管理職」として糾弾されているような過酷な就労環境が露呈してしまった場合に、企業は莫大な訴訟リスク、社会的信用を損失してしまうリスクを負うことになります。そのようなリスクを軽減する上でも、ワークライフバランスは重要です。
私はワークライフバランスは企業にとって中長期的に返ってくるハイリターン投資であると確信しています。私どもで3000社のデータベースを分析した結果、WLBには大きく3つの効果があります(下図)。
私はワークライフバランスは企業にとって中長期的に返ってくるハイリターン投資であると確信しています。私どもで3000社のデータベースを分析した結果、WLBには大きく3つの効果があります(下図)。

第一に、良い人材をひきつける。第二に、がんばる気持ちになる。私も昨年育児休業を取ったのですが、会社で取得した男性は初めてということで、多少、不安もありました。そんなある日、廊下で社長とすれ違った時に「男性もこれから育児をするというのは大切だから頑張っておいで、楽しんでおいで」と励まされて非常に嬉しかったです。復職した今、頑張ろう、会社に恩返しをしなければという企業への忠誠心が高まりました。第三に、従業員の業務効率が改善し、効率的な組織になります。いま、1歳半の息子の保育所の送迎は基本的に私が担当しています。多くのワーキングマザーが経験されているとおり、夕方は頭から湯気が出るような感じで、非常に業務効率が上がっています。また、組織としても無駄をなくし、生産性を上げる工夫が深まるなどのメリットがあります。