NPO仕事と子育てカウンセリングセンター
活動レポート活動レポート:シンポジウム
第1回【仕事と子育て】カウンセリングシンポジウム

シンポジウム「今なぜカウンセリングが必要なのか」

岡山慶子 (NPO法人【仕事と子育て】カウンセリングセンター理事・カウンセラー)

制度になじまない【仕事と子育て】両立支援


実際のところ、特に妊娠・出産・育児などの両立の場合、女性には現状の法律や制度やシステムの整備だけでは両立が難しいことがたくさんあります。例えば「からだ」「くらし」「こころ」「考え方」などは制度があってもどうにもならない面もあるように思います。

1.からだ
産婦人科学会や産婦人科医会が昨年、働く女性の体について実施した調査があります。女性の場合は、ホルモンバランスが周期的あるいは年齢によって大きく変化することがあります。原因がはっきりせず体調がすぐれないということが大変に多いのです。
「腰痛や肩こり」「月経痛や月経前症候群」「眼精疲労」「頭痛」「ストレスが多い」「排便トラブル」があるといったように、病気とはっきりと診断されることがなかなか難しいけれど、調子が悪い。こういうことが女性の体の特徴でもあります。
そして体調がすぐれない時に職場に相談しづらいというデータも出ています。それは健診などで数値というもので表れないものは職場に相談しにくいのではないかと分析できます。

例えば「職場内に相談出来る雰囲気が無い」「職場全体の仕事が忙しくて相談する余裕が無い」「自分の体のことを話すのが恥ずかしい」というように、明確な原因がないものを職場で取り上げてもらうことが大変に難しいということがあります。
からだのこと、つまりなかなか形では言い表しにくいようなはっきりしないものが女性の体の特徴としてあるのではないかと思います。
体調が優れない時、職場に相談しづらい

2.くらし
家事には、たくさんの要素があります。たいへん多様な側面があり、一つひとつ個別的なことが多いのです。これは一つの法則・管理の形ではあてはまらない、極めて多様性があると考えられます。
家事

3.考え方
女性の仕事の価値観の調査を継続的に実施しています。仕事のどのようなところに価値をおいているかの因子分析をしますと女性の場合は「人間的に成長したい」「仕事を通して人間関係を充実させたい」と、極めて『人間的』という結果が出てきます。これもなかなか制度に馴染みにくいのです。

このように【仕事と子育て】を両立するための「からだ」「くらし」「こころ」「考え方」をそれぞれ『整える』ことが、現行のシステムや制度だけでは、なかなかできないことがわかります。

いろいろなものを『整える』ことで軽減できる例として、肉体的疲労、精神的疲労、欲求不満、ストレス、他人への叱責、自信喪失、判断力などが挙げられます。これらの項目はカウンセリングの領域であると考えられます。制度ではなかなか難しいからこそ、カウンセリングは大事なのではないかと思っております。