第1回【仕事と子育て】カウンセリングシンポジウム
基調講演「これから変わる【仕事と子育て】両立支援」
坂東眞理子 (NPO法人【仕事と子育て】カウンセリングセンター理事長)
ヨーロッパの女性就労の変化 M字型から逆U字型へ
M字型雇用は日本の女性の特徴だと言いました。しかし、実は日本だけではなくイギリスでも、またさらに前(1960年頃)はスウェーデン・ノルウェーのような国々でもM字型でした。女性たちが雇われて働くようになった先進国の最初の段階では、仕事と子育ての両立が難しくて子どもを産むときには労働力率が落ち、M字型になりました。最初にそれを解消したのはスウェーデンやノルウェー、ヨーロッパの国々です(アメリカについては後述)。出産・育児期も働き続けるというのが先進国の共通のパターンになっています。ここに、おもしろいデータがあります。日本では女性たちが結婚を遅らせている、出産を遅らせていると言いました。1989年に1.57ショック。日本の出生率が史上最低になって、その後も下がり2005年は1.26、2007年は1.32にまで低下しました。日本では、女性たちが仕事と子育てを両立する環境が整っていないので、女性の出生率がどんどんと下がってしまいます。
ところが先ほど言ったようにヨーロッパの国々では確かに1970年頃は女性の労働力率の高い国ほど出生率が低いのです。仕事をしながら子どもを持つのは大変だということがはっきりしていたのです。それがだんだんと女性が働いている国の出生率が高くなってきて、今やスウェーデンは1.8を上回っています。
それに引き換え、日本そして韓国もM字型が典型的に残っている国です。どちらも「女性の天職は子育てだ」という感覚がとても強い国です。それで出生率が低いままなのです。結果的には、女性たちが働いている国の方が出生率は上がってきています。いかに環境を整備したか、整備していないかの差が21世紀になってからはっきり現れたという感じです。

出典:男女共同参画白書(概要版)平成19年版より引用
【備考】
1. 日本は総務省「労働力調査」より作成。ILO「LABORSTA」より作成。
2. 1970年のノルウェーの35〜39歳は30〜44歳。
【備考】
1. 日本は総務省「労働力調査」より作成。ILO「LABORSTA」より作成。
2. 1970年のノルウェーの35〜39歳は30〜44歳。

出典:少子化と男女共同参画に関する社会環境の国際比較報告書(平成17年)
【備考】
Recent Demographic Debelopments in Europe 2004、日本:人口動態統計、オーストラリアBirths,No.3301、カナダ:Statistics Canada、韓国:Annualreport on the Vital Statistics、ニュージーランド:Demographic trends、US:National Vital Statistics Report,ILO Year Book of Labour Stasticsより内閣府男女共同参画局作成
【備考】
Recent Demographic Debelopments in Europe 2004、日本:人口動態統計、オーストラリアBirths,No.3301、カナダ:Statistics Canada、韓国:Annualreport on the Vital Statistics、ニュージーランド:Demographic trends、US:National Vital Statistics Report,ILO Year Book of Labour Stasticsより内閣府男女共同参画局作成