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No.41 ママトーク・講談社(編集者)・日下部由佳さん
No.41 ママトーク・講談社(編集者)・日下部由佳さん
No.41 ママトーク・講談社(編集者)・日下部由佳さん

No.41 ママトーク・講談社(編集者)・日下部由佳さん

講談社で児童書を手がける、編集者の日下部由佳さん(48)。小学生の息子さんと高校生の娘さんのママでもあります。華やかだけれど超多忙な女性誌の編集部にいたころ、初めての妊娠。だんなさんも同業で、やりくりしながらお仕事を続けています。
 
―出産したときは、忙しい部署にいたのですね。
「大学卒業後、入社して女性誌の編集をしていました。インタビューをしたり、美容の担当をしたり。校了前は、徹夜が普通の職場です。1999年の12月に長女を出産し、1歳3カ月まで育休を取り、4月から保育園へ。同じ部署に復帰して、2004年に長男を出産。1歳2カ月で児童書の編集部に異動して復帰しました」
 
「その雑誌の編集部で出産したのは初めてのケース。妊娠中も、あまり変わらずけっこう遅くまで働いていました。その後、次々と後輩が結婚、妊娠しました。子持ちの先輩も異動してきて、デスク3人がママという状況に。そのころから、『原稿チェックは夜7時までにしてね』などと相談しながら、仕事のやり方を変えていきました」
 
―大変だった時期を振り返って、いかがですか。
「子どもたちが小さいときは、二重保育をしていました。保育園に10時から5時ぐらいまで預け、シッターさんが迎えに行き、8時ぐらいまで家にいてもらいます。校了のときは母にも頼みました。シッターさんは全力で子どもと遊んでくれるので、良さもありましたが、長女のとき、もうちょっと早く帰ってあげればよかったと後悔しています。もう高校生になったのに、遠慮して、学校のプリントなどをなかなか出さない。小さいころ『いま忙しいから待ってて』ってよく言っていたせいなのかなと思いますね。仕事のメール返信なんて、翌日でもよかったのに…」
 
「長女が病気のときは、急には休めなくて、母やシッターさんに頼んで、ぎりぎりまで仕事していましたね。息子のときは、児童書の部署に異動になり、休みやすかったこともあって、体調が悪いときは早めに休ませて一緒にいるように。すると治りも早いんですよね。長女は、もっとなでなで、ぐりぐりしてあげたかったです」
 
「児童書の担当になって落ちついてからは、保育園に自分でお迎えに行けるようになりましたが、それはそれで、お迎え時間のリミットがあるので大変でしたね。シッターさんにお迎えをお願いして、ずいぶん楽していたんだとわかりました。お姉ちゃんが小学校に入ると、お迎え先が、学童クラブと保育園の2カ所になってしまいましたし。帰宅したら、おなかがすいて泣きわめく息子をおんぶして、お姉ちゃんと話しながら夜ごはんを作って。新学期の名前付けやぞうきん縫い、指定された昼間の時間に体操着や水着を買いに行く、プリントの準備など、小学校って用事がたくさんあるんですよね。子どもたちも『あれ?ママがいつも家にいる友だちがいる』って気づくし」
 
―だんなさんも編集者ですね。
「夫は週の半分は帰れない忙しさなのですが、赤ちゃんのときは、仕事を中抜けして、お風呂に入れてくれていました。子どもたちのどちらかを病院に連れて行ったり、診察の順番札を取ってきてくれたり。できることをやってくれていたので、夫が海外へ1年、研修に行ったときはきつかったです。当時、子どもたちは小学3年と5歳。送り迎え、ごはん、習い事、病気…週末は、ばててしまって、満足に遊んであげられなかったですね。母や友だちに助けられ、そして、子ども2人で遊んでくれたのが本当に助かりました。でも、1年で、子どもたちと私だけの生活ペースができてしまい、帰国後に夫との関係がぎくしゃくして。一昨年、私が研修で1カ月ほどドイツへ行った際、気持ちよく送り出してくれて、やっとわだかまりがなくなりました(笑)」
 
「私は2人の産休や育休で、3年ぐらい休ませてもらいました。子どもといるのは楽しかったのですが、復職しても、残業は以前のようにできないし、『パパは24時間、自由に仕事できていいね』と、心底うらやましく思ったこともあります。そういう気持ちを察した夫は、『遅くまで仕事したい日を教えて』と言ってくれる。彼の職場は男社会で、本当に忙しく働いている人ばかりなので、自分の仕事をセーブして譲ってくれる気持ちがあるのは、ありがたいです。彼だって、家のことを中心にしてくれる奥さんだったら、もっと楽できたと思いますし。一度、つらいときに、『仕事やめたい』って言ったら、『子どもが大きくなったら、ひまになっちゃうよ』って言われたこともあります。『ママが働いているから、夏休みに旅行だって行けるんだよ』と言って育ててきたので、いまは子どもたちも、『ママ、仕事やめないでー』って言いますね」
 
―どのような日常を過ごしていますか。
「ご飯はタイマーをセットして、みそ汁はだしや野菜を煮ておきます。夜はお肉を焼くだけ、野菜を蒸すだけ。作り置きの冷凍もします。洗濯物もタイマーをかけて朝、気がついたほうが干します―たいてい夫ですけど(笑)。そうじは、週末に気づいた人が。同僚のママたちは子どもが寝てから仕事をしているので、夜10時以降はメールが飛び交うオンタイムです。私は夜型なので、遅くまで原稿を読んだりしていますが、お弁当作りがあるので、6時半ぐらいによろよろになりながら起きなきゃいけなくて、それがつらいです」
 
―子育てしているパパママにメッセージを。
「困っているときは、困っている、とだれかに言ってみるのがいいと思います。子育て経験者や同僚ママが、なにかいいアイデアを持っているかもしれないし、仕事先の人が譲歩してくれることもある。困っていることを共有してもらえれば、気持ちも楽になりますよね。わたしも、以前は、周りの人たちに、ひたすら、『悪いね』『ごめんね』という日々でした。でも、どうせ頭を下げるなら、一緒にアイデアと助力を請うてもいいかな、と。『ごめんね、いまこういう状況なので、こうしてくれたら助かる』と、具体的に伝えるようにしています。わたしも、だれかに相談されたらうれしいし、助け合ってやっていけたらいいなと思います」
 
「いまの願いは、子どもたちが自分で生活できるようになってほしいということ。ご飯をたく、みそ汁を作る、電気を消す、髪をかわかすといった基本を身につけてもらいたいです。息子は、オムレツやチャーハンを作るのが得意。マメなんですね」
 
★お会いして★
日々のおかずに悩んでいたころ。日下部さんに聞くと、「日曜日にギョーザをたくさん作っておくの。ひじきや切り干し大根の煮物も、お鍋にいっぱい。ギョーザを包むの、早いよ。一緒にやってみる?」と朗らかな答え。私はいまだに「ギョーザ100個の作りおき」を実現できていません…。プロフェッショナルで、優しくて、しっかりママの日下部さん。見習いたいと思います。写真は、日下部さんが手がけた本です。それぞれのデザインやタイトルを見るだけで、ワクワクしますね。「わたし、がんばったよ。」は、友人に見せてもらった小児白血病のお嬢さんが描いた絵本が心に刺さり、「これをいつか本にしたい」と考えて、5年かかって仕上げたもの。「青い鳥文庫ができるまで」は、就職活動中の学生にも人気。青い鳥文庫の読者は、将来、作家や編集者になりたいというお子さんが多いとか。「赤毛のアン」は子どものときから好きな本で、いつか愛蔵版を作りたいと思っていました。
持っているだけでうれしい本だそうです。
(なかの・かおり 39歳で初産。会社員生活は、20年目になりました)