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No.27 ママトーク・友永ヨーガ学院長・友永淳子さん(71)
No.27 ママトーク・友永ヨーガ学院長・友永淳子さん(71)

No.27 ママトーク・友永ヨーガ学院長・友永淳子さん(71)

東京・杉並エリアで、住民に愛されて半世紀近くの「友永ヨーガ学院」。院長・友永淳子さん(71)のクラスはいつも人気。やさしい声で導き、心身のコリをほぐしてくれます。妊婦や産後のママ向けレッスンにも力を入れ、おうちでできるDVDもありますよ。ヨガを指導しながら3人を育てた経験から、ママパパへの応援メッセージをいただきました。

 

―ヨガをする人が増えました。なぜ心身にいいのでしょうか。

「体のゆがみが整い、バランスがよくなります。呼吸を意識しながらポーズをとっていると、執念や悩みをいっとき忘れられる。現実はおいておき、自分を客観的に見られます。いっときでも忘れるということが、ものすごいエネルギーになる。体を動かして心も解放されると余裕が生まれ、人に手をさしのべたり、甘えたりできるようになります」

 

―子育てに孤独を感じているママが多いと思います。

「たとえば混んだ電車の中で、お互いに知らん顔していますよね。暗黙の礼儀というか。子どもが泣いていても、相当に開けている人でないと声をかけられません。高度経済成長をしてきて、『泣いたらめんどうを見よう』という雰囲気がなくなりました。昔は和を尊び、同じ地域なら顔を知っていた。地縁・血縁で何かできるかと気にかけてくれました」
「先日、雨にぬれた道で妊婦さんとすれ違って、足元は大丈夫ですかと声をかけたらにこっとして喜んでいました。日本の人は、よく話したことのない人とつながったりふれあったりするのは苦手かもしれませんね。学院に来ている人たちは自然にあいさつするし、終わったらハグ。初めは恥ずかしかったようですが、ハグタイムが盛んになりました」

 

―IT化も影響していますね。

「子どもがいるのに、スマホばっかり見てしまうママも多いです。IT化で、心が忙しくなって振り回されている。子どもと一緒にいることが大事なのにね。じっくり顔を見て、肌で感じて、かわいいね、大事だよって声をかけてあげて。子育てできるのは一生のうち15年ぐらい。肌が触れあえる期間は、もっと短いんですよ」

 

―どうやって子育てとヨガ指導を両立したのですか。

「息子がふたりと、障がいのある娘がいます。ヨガを教えて37年ぐらい。3人を別々の保育園に預けて、この学院をスタートしました。自転車の前と後ろに乗せて、おんぶして送っていったことも。家事は週に4日、お手伝いさんに頼みました。他の人にお願いすることに抵抗はなかったです。子どもと接する時間を持ちたかったので」
「幸せなことにサポートに恵まれていました。夫の友人(男性)が、いざというときはかけつけてくれたのです。子どもの病気のとき、つらいけどレッスンはキャンセルできない。インド出張のときも来てくれて、本当に助かりました。味方がいると、安心感が違います」

 

―ヨガの考え方は子育てに影響しましたか。

「古くから伝わっているヨガの教えが、役立ちました。自分を律しながら生きていくというもので、暴力をふるわない、正直でいる、清潔にする、クリーンな部屋で過ごすなどを心がけると、生活が整ってきます。こうした教えと、ヨガで鍛えた体力でのりきれました。子育ては精神的にきついものです。こんな一大事業はありません。チャンスがあるならもう1回、育て直したい。もっと一緒にいたらよかったと思います」
「ヨガの仕事と子どものケアで、睡眠は3時間ぐらいでしたね。インドから先生が来たら、自宅でもてなします。タマネギを使わないということでショウガや油で工夫し、豆や野菜を使ってカレーを作りました。子どもたちをおなかの上と両脇に寝かせ、絵本を読んでいるうちにママが寝てしまったり。休みの日は公園でザリガニとりや木登り、ブランコと思い切り遊んだり。けんかもおきて子どもを怒りたくなるけど、暴力は何も生み出さない。子どもの近くに降りていって、たたいたら痛いでしょと言い聞かせました」

 

―これから子育てしたい人たちへメッセージを。

「体も心も、しっかり育てておきましょう。いまの楽しみに夢中になってしまいますが、家族を持つということも、考えてみて下さい。人間はひとりでは生きられない。毎日、何が起きるかわからないんです。きょうという日は、奇跡。親のおかげさまでという気持ちは、子どもにとってもよいもの。おひさまがあるから洗濯がかわくね、雨が降るとうるおうねと。私の娘は障がいがあり、思うようにいかないことが多く、ごめんねと思っていたのですが、私がそれによって育てられました」
「体が成長していない人が多いですね。外で遊ばなくなり、階段も使わなくてすむから。親子向けキッズヨーガのクラスは、楽しく体を動かせるので人気です。体を使うと、心も育つ。バーチャルなものに置き換えられがちですが、年の違う友達と遊んだり、近所の人と声をかけあったり、ふれあいの中で男性性や女性性が育てられ、大人になっていきます」

 

☆お会いして☆

体験取材をお願いして以来、約7年ぶりの再会。小柄な体を自在に使い、ポーズを見せてくれます。学院を支える長男の乾史さんからも、アラフォーパパならではの鋭いコメントが。情報はhttp://www.tomonagayoga.org/をごらんください。ストレスフルなママ向けに、簡単な呼吸法とポーズを教えていただきました。
○呼吸法 鼻からゆっくり7秒吸って、7秒吐く。吐き方がわからなければ、ろうそくを吹き消すときのように口をすぼめて。繰り返すと副交感神経が優位になり、リラックス。

○ワニのポーズ  あおむけに寝て、両手は横に。右足を上げてクロスするように左足の向こうにおろし、顔は足と逆向きに。戻したら左足も。ねじれと背骨ののびが気持ちよく、その日のゆがみがとれるそう。腰が痛いママは寝る前に。私は娘と一緒にやっています。
(なかの・かおり 39歳で初産。会社員生活は、20年目になりました)