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No.16 子どものけが

No.16 子どものけが

年末は、トラブルの対応に追われました。いまの職種は急な欠勤に厳しく、自宅に来てもらえる病児保育の会員になっていました。保育者はだいたい初めて会う人になりますが、前夜に申し込めば「100%対応」の仕組み。12月に娘の発熱で頼んだとき、保育者が目を離し、娘が転んでけがをしてしまったのです。「報告書の記入に気を取られて、どこをどうぶつけたか見ていなかった」と聞き、心配になりました。ほかのシッターさんのときにけがをしたことはあったものの、見ていて「転んで手をついた」など説明があったので。

 

病院に連れて行くと、見えるけがは全治2週間の診断。頭をぶつけた可能性もあるので注意がいると外科医に言われ、私は娘に「ごめんね」と繰り返しました。病児保育オフィスの対応も、期待していただけに残念なものでした。預けることには賛否両論あると思いますが、私の有給休暇はすでに残りゼロで、シッターさんは命綱。でも大人だって初めての人と長時間、過ごすのは疲れます。自我が強くなってきた2歳の娘にとって、初めての人に預けられるのはストレスかも。別の団体を探し、「何人かのシッターさんと顔合わせしておく。緊急時はその中から都合のつく人が来てくれる」という体制にしてみました。

 

保育園に通っていると、お友達どうしのトラブルもあります。2歳クラス前期の保護者会で話題になったのが、ひっかきやかみつきなどのけが。先生から「このクラスに関しては、けがしちゃった子の保護者には、ここをけがしましたと言いますが、加害側には言っていません」との話があり、どよめきが起こりました。末っ子の赤ちゃんを連れてきたママは「園としての方針は、ないんですか?」と突っ込み、ほかのママからも「うちの子がやって、知らなかったらいやだわ」「やったりやられたりだけど、教えてほしい」との声。

 

私も気になっていたことを話しました。娘は1歳クラスのとき10回ぐらい、かまれたりたたかれたりで傷を作ってきました。月齢がクラスで一番小さく、妹みたいにかわいがられていました。だけど言葉がうまく出ない子どうし遊んでいると、手や口が出ちゃうことがあります。体が小さい娘が、お友達を傷つけたことはないという報告でしたが、当時の担任に「こういうトラブルが多い年頃なので。お互いさまだから、いいですよね」と言われ、ショックでした。親としては何も言えない。ぐっとがまん。先生の数が少ない時間帯もあるだろうし、自分の子がだれかを傷つけてしまう可能性はあるわけだし…。

 

そういうときも、言い方ひとつなんです。事故は仕方なかったとしても、その対応しだいで気持ちが全く変わる。先生から「体が小さいし、どうしてもけがが多くて気になりますよね」「なるべく状況を説明するようにします」と、おもんばかる一言があったら、悩まなかったと思います。先生にうまくフォローしてほしい、とお願いしました。

 

先生が言わなかったとしても、「○○ちゃん、ごっつん」「○○ちゃん、がぶっ」としゃべるようになると、わかってしまいます。2歳クラスになってAくんからの傷が続いたとき、その子のママと会っても何も言わないので、「よその子がけがしても、気にしないんだ」「Aくんのママはバリキャリだから、子どもの様子より仕事のほうが大事なのかな」と妄想してしまいました。「自分は過敏で、心がせまい親なのか」と思って、もやもや。あとで知ったAくんのママとパパから「知らなかったの。ごめんね」「優しくするよう言い聞かせている」と言われ、Aくんとよく話すきっかけになったみたいです。最近はみんな成長してきて、保育園でのけがはほとんどなくなりました。

 

保育園なら先生の目もあるし、親どうしも知っていますが、公園や教室など知らない子が多い場所だったらどうでしょうか。娘が通っている幼児教室のプレイルームで、男の子がすべり台の上からすべってきて、下に座っていた娘の頭に落ちた(上から蹴りをいれられた形)ことがありました。普通は親が付き添っているんですが、だれも見ていない。聞いたら、教室の社長夫妻の息子とのこと。

 

連絡すると、その子のママからメールがきました。「パパとママはスタッフの面接があって、Bくんは1人で遊んでいました。ぶつかることは公園でもよくあるし、大丈夫そうだったし、Bくんも心配していました。Bくんのママより」といった内容。私たちはBくん親子の友達ではなく、「利用者」の立場です。娘が楽しみにしている教室で、安心して遊べなくなるのはいやだなあと思いました。社長に「今後は大人が見ています」と約束してもらったのですが、どういう関係かによっても親の受け止め方が違ってきますよね。

 

そのほか、娘がなついていたシッターさんが、親に言わずに離れた公園に連れて行き、遊具で思いっきり遊ばせるという事件?もありました。娘が行きたがったわけでもなく、体の小さい娘には刺激が強いかなという遊具。保育園で外遊びも足りていたのですが。近所のママに聞いたら、「うちもそういうことがあってひやひやしたけど、男の子で喜んでいたし、シッターさんに信頼があるから気にしなかった」という意見。

 

結果的には何もなかったし、よかれと思ってしたのでしょうが、やはり「心臓ばっくん」です。親の知らない行動で、けがしたら。よその子にけがをさせたら。シッター会社に確認すると、仮に子どもが行きたいと言ったとしても、親に連絡してからが原則だそうで、ベテランシッターだけに過信してしまったのかもしれません。

 

成長すると行動もダイナミックになり、トラブルも複雑になると聞きます。なるべくいやな気分を残さずにやりとりできたらいいですね。大事にはいたらないよう祈るばかりです。

 

(なかの・かおり 39歳で初産。約20年、メディアの仕事にかかわっています)