NPO法人 【仕事と子育て】 カウンセリングセンター

連絡先

NPO法人【仕事と子育て】
カウンセリングセンター事務局
住所:〒104-0045
東京都中央区築地2-12-10 築地MFビル26号館5階
TEL :  03-5565-4923
FAX :  03-5565-4914
MAIL: info@shigoto-kosodate.net

ページタイトル

No.8 ママのおうちケア

ママって、いつも体中が痛いですよね。大げさでなく…。
夏に家族で水族館に行ったとき、「バギーがあるし、いらないかな」と抱っこひもを持っていかなかったんです。2歳の娘は11キロぐらいで小柄とはいえ、お昼寝前にママべったりになり、寝つくまで抱っこして歩き回りました。両手首が痛くなり、1週間たっても痛みがとれませんでした。

 

太いベルトタイプの抱っこひもを使うと、体への負担は分散されますが、やはり長い時間、抱っこしていると腰が痛くなります。抱っこひもで両手があくと仕事のバッグに保育園の洗濯物を入れたバッグ、さらにスーパーの買い物袋まで持って歩いちゃう。家では左手は抱っこで右手は家事、なんて離れわざも。会社に行けば、座り仕事で体が固まり、40代ママにはこたえます。新生児のころの授乳も、慣れないから抱っこの位置がわからなくて手首が痛み、サポーターをするママが結構いました。

 

こんなママこそ、マッサージが必要! 子どものためにも、ママが笑顔でいないとね。だけど、子連れで行けるサロンは少ないんです。動き回ったら危ないし、騒いだら周りの人に迷惑。中断すれば時間もおしてしまうから。私も育休中、ずいぶん探しました。

 

近くの産科クリニック内に、ベビー連れOKのサロンがあって、何度か行きました。代表もママさんなので、気づかいが細やか。オイルマッサージの間、同じベッドにベビーを寝かせるのですが、ちょうどいいクッションが用意されていて、授乳している間は待っていてくれたり、リラックスできるアロマを漂わせてくれたり。自宅への出張もお願いできるので、娘が動き回るようになってからは来てもらっていました。

 

出張サービスは本当に助かります。ある程度、育てば自分だけのほうが休まりますが、ベビーのうちは授乳もあります。預かってもらって行くと、「○○時までに帰らなくちゃ」「どうしてるかな」と気になって…。出張の場合は60分以上のコースからとか、出張費はいくらとか、決まりはありますが、近くのお店を中心に何人かの女性にお願いしてみました。中国式の足裏マッサージ店からは、おばちゃんに来てもらいました。娘が抱っこー、おっぱいーと泣くので、うつぶせになる全身マッサージよりも足のマッサージのほうがいいときがあります。足だけなら、娘を抱っこしながらやってもらえますし、授乳もできるので。

 

中にはおしゃべりがうるさかったり、売り込みが激しかったり、合わなくてやめたケースもあります。相性は会ってみないとわかりませんね。あとはタイ式マッサージができる友人が、ときどき来てくれます。彼女はテンションが高すぎないタイプなので、会って疲れないのがいいです。

 

出張ネイルも便利でした。ネットで探してメールで申し込むと返事があり、マンションも見つけて来てくれました。30代の女子で、出張専門だそうで慣れた様子。足の爪をきれいにして、はげにくいカラーを塗ってもらいました。手はお料理や子どもの世話があるのでカラーはしませんが、足の爪がきれいなだけで気分がよくなります。

 

旅先はマッサージをするチャンス。温泉で畳のお部屋に来てもらえば、娘がごろんごろんとくっついてきても大丈夫。途中で抱っこになったら、うつぶせではなく体を横向きにして。ホテル内にお店があれば夫に娘を見てもらい、ちょっとだけリラックス。夫が海外赴任中に家族で集合したバンコクは、マッサージの本場。街中のお店でタイのママたちが娘を抱っこしてくれたり、寺院内のマッサージ学校で娘を抱っこしながら足マッサージを受けたり。そういうゆるさがありがたかったです。

 

ほかには、おっぱいケアのために助産師さんに出張してもらっていました。出張してもらえる内容であれば、ママのおうちケア応援団を探しておくと心強いです。

 

産後まもないころ、うれしいマッサージのプレゼントがありました。同じマンションに、抱っこひもやバギーの情報を教えてくれた先輩ママがいます。産後はおいしいものをたびたび届けてくれました。手作りのおかずとか、和のスイーツとか…。当時、夫が海外に単身赴任していて、買い物を頼める人もいなかったので、気にかけてくれたんです。

 

あるとき、彼女に「オイルある?」と聞かれて、ベビー用のオーガニックオイルを出すと「抱っこで疲れてるでしょ」といって私の腕をマッサージしてくれました。「主人のために、研究したのよー」ってのろけていましたが、さりげない優しさに脱帽です。以前から取材していた病院や介護の現場でも、メークやマッサージなどのちょっとしたケアがコミュニケーションになり、笑顔につながるというお話を聞きました。心身ともにヨレヨレの初めてママには、何よりの「お手当て」でした。
(なかの・かおり 39歳で出産。約20年、メディアの仕事にかかわっています)